遺伝子治療への期待と状況
新しい医療技術が登場すると、それによってなんでも実現することができてしまうと考えがちになります。医療に対して詳しい人であればそういった誤解を生じることはあまりありませんが、国民の多くはそれほど医療に精通しているわけではありません。そのため、画期的な治療法が開発されたという報道があると、それを応用してあらゆる疾患の治療が可能になるのではないかと期待を抱いてしまいがちです。しかし、医療というのは万能ではなく、画期的な医療技術が生まれた際にも、それが有用である疾患というのは限られています。ゲノム解析が進んだことによって、国民の認識として遺伝子というものが大切であるということが広まりました。しかし、その詳細についての理解に至っているのは、それほど多くはありません。そういった状況で遺伝子治療が実現されたという報道があったことにより、遺伝子の治療を行うことによってあらゆる疾患が治療できたり、予防できたりするのではないかという誤解を生むことが散見されました。実際には、遺伝性の疾患の治療やがん治療の一部に利用できる可能性が見出されてきたという状況であり、そういった理想的な医療への展開はなされていません。遺伝子治療は技術的な問題もあって、未だ発展途上といっても良いものであるということも認識が必要なことでしょう。しかし、発展途上であるということは、これから画期的な医療の実現につながる可能性も秘めているということであり、注目に値するものであるというのは確かです。遺伝子治療について、わかりやすいサイトがありました。→《遺伝子治療の今》